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2017年8月

2017年8月26日 (土)

EVに全面移行したら電力は足りるのか?

 週末に入り、ビジネス分野のニュースもひと通り読み終えて手持ち無沙汰になったので、自動車の週刊誌を何気なく見ていたら、面白い記事があった。

 「ベストカー」という自動車週刊誌の2017年9月26日号の「2040EV元年? 電動化の波 その真実と賛否両論」という記事。その中のQ&A。

 Q : EVの世の中になった時、日本の電力供給は足りますか?
 A : 足ります。日本の場合、走るクルマがすべてEVでも、既存の火力発電メインの発電量の6%あれば十分。

 ちょっと待てこら。6%ですむわけがねぇだろ。週末にちょっと乗るだけのサンデードライバーだって、家庭で消費する電力の1割使うくらいはエネルギーを消費する。通勤に使ってる人とか、毎日そこらじゅう走り回ってる物流トラックとかバスとかを考えたら、すぐにその何倍にもなるわけで、直感的にもおかしいと分かるじゃないか。

 ちゃんとしたデータとしては、資源エネルギー庁が毎年エネルギー白書をまとめているから、簡単に確認できる。手っ取り早く見るなら、平成28年度版の冒頭のコラムに、「【第211-1-2】我が国のエネルギーバランス・フロー概要(2015年度)」という図がある。

 この図から最終エネルギー消費の内訳を読み取ると、旅客と貨物の運輸にガソリンと軽油で2,644ペタジュールのエネルギーが消費されている。このほとんどは自動車と考えていいだろう。
 これに対して電力は2,312ペタジュールでしかないから、今ある国内電力をぜんぶ使っても足りないことになる。

 どこが6%だ。馬鹿か、ベストカー。ベストカー、馬鹿か。
 完全EV時代を迎えるには、電力インフラに膨大な投資が必要になるじゃないか。

 自分としては、このテの雑誌に対しては、世間の人たちは何を考えてるのかを確認しておきたいという程度の期待しかしていないから、情報の正確さなんて求めていない。それでも、ここまでひどいデタラメを一般人に植えつけるのは、さすがに無責任にすぎるだろう。

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