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2017年2月

2017年2月 9日 (木)

ソフトバンクが出資する次世代衛星通信OneWebについて考える

 ソフトバンクの決算説明会でOneWebという衛星通信企業に出資したことについて記事(下り200Mbpsの次世代衛星通信がソフトバンク“10兆円ファンド”第1弾に)になっている。

 この記事について、「おお、すげー」的なTweetが並んでいるのを見てとても残念に思ったので、簡単に計算してみる。

 1,200kmの低軌道に、下り200Mbpsの通信衛星を720基以上打ち上げて、全世界に「高速通信」を低価格で提供するというもの。これが大きいか小さいか。

 まずデータの絶対量から。この記事では、シスコによると2015年の世界のモバイルデータのトラフィックは44エクサバイトだそうな。平均速度では、ざっくり計算して、10テラbpsくらい。200Mbpsの衛星が1000基あったとしても最大200Gbpsなので、2015年当時のトラフィックの2%にしかならない。一般ユーザとは関係ない通信手段だね。

 次に、衛星がカバーする面積。携帯電話の基地局でも同様だが、いくつの端末でシェアするかが実際の通信速度を決める。地球の表面積が5億平方キロくらいだから、衛星が1000基あるとして、1基あたりのカバーする面積は50万平方キロ。日本の国土が38万平方キロで、経済水域が400万平方キロ。日本をカバーする衛星は、国土だけならせいぜい4基か5基。200Mbpsを数百万人でシェアするとなったら、役に立たんわな。
 携帯電話の基地局が日本国内に数十万局あることから考えると、すぐに分かる。
 携帯網の代替にはならん。

 結局どこなら使いものになるかというと、通信インフラの限られた大洋の真ん中とか、飛行中の航空機の中とか、シベリアとか北極圏/南極圏みたいに数十キロ四方に小さな村が一つあるような超過疎地。あるいは、エベレストみたいな無住の地に行く探検家対象とか。
 いずれにしても、一般人には関係ないわな。

 でまぁ、そういった感じでごく限定された需要に対して使われるインフラになりそうなんだが、毎年何十基も衛星を打ち上げ続けるだけの収益は見込めるのかってのがいちばんの疑問。
 情報格差をこの世からなくすっていうOneWebの理念は尊敬するけど、民間企業なんだから、収益を上げないことには維持できんもんね。

 通信衛星網ってのは仕掛けは大掛かりなんだけど、実際に提供できる通信容量ってのは、ものすごく貧弱なものになるというのは常識。中学生くらいの簡単な計算で確かめられるしね。
 こういう記事を見て、採算の心配せずに「すげー」って感心しちゃう人は、詐欺にカモられやすいので注意しようね。

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