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2010年11月27日 (土)

『オーストラリア版「光の道」』の記事を検証する

 オーストラリア政府が、超高速ブロードバンドを普及させるために、同国最大の通信会社であるテルストラから固定通信事業を1兆円で買い取って別会社とし、さらに3兆円を追加投資してFTTHを普及させようとしているという記事

 「光の道」という言葉が入ってて妙な解釈をする人が出てきそうなので、少し調べてみる。

 オーストラリアの人口は2,100万なので、日本の6分の1くらい。国土は広いが、都市への人口集中が進んでいることでは世界でもトップクラス。記事では「国民の約93%をカバーする」となっているが、主要都市とその近郊までということだろう。日本より狭いな。

 カバー率から計算すると、対象世帯数は800万世帯くらい。追加投資費用を1世帯あたりにすると、40万円くらいを投資することになる。なんだか、ものすごい金額だ。

 この計画の概要を説明する資料には、現在のオーストラリアのブロードバンド環境を示すグラフがあるが、FTTHはほとんど無い。こっちのグラフは光ファイバをベースにした高速ブロードバンドサービスの普及率のグラフだが、もちろんオーストラリアは入っていない。FTTHに次ぐ高速インフラであるCATVサービスの普及もいまひとつなので、そもそも高速インフラが無いというのが現状のようだ。各家庭に光ファイバを引く前段階の、電話局舎から「き線点」までの光ファイバ整備がほとんど進んでいないのだろう。であるとすると、1世帯あたり40万円というのは、そういった幹線部分の整備費用も含まれているのだろう。この計画では、家の近くまで光ファイバを持ってくるのではなく、各家庭にFTTHを引き込むところまでやることになっているので、かなり徹底している。

 ほとんどゼロに近い所からFTTHを構築するわけだから、カネはかかるわな。最終的にFTTH普及率90%にしようってんだから、ものすごく野心的。とはいえ、民間にまかせておいたらFTTHの普及がまったく進まなかったので税金つぎ込んで整備しようとするものであり、アクセス網の分離も税金を使うために必要な処置なので、むしろ情けないと言うべきではないか。

 問題は、この計画の実現性だ。この国営FTTH会社は、整備が終わった段階で民間に売却して投資費用を回収する目論見のようだが、はたしてこれだけの費用が回収できるだけの事業になるだろうか。説明資料で描かれている用途だけ見ていると、90%の世帯に設置することを正当化できるかというと、やや心許ない気もする。収益が見込めなければ、計画縮小というのも十分に有り得るだろう。

 設備投資費用ということで投資金額をNTTにあてはめて考えてみる。

 テルストラのアクセス網の買い取りに1兆円払うことになっているが、NTTなら6兆円。光ファイバ整備費用3兆円のうち幹線網の整備が半分だとすると、NTTの幹線網は、現時点で9兆円くらい。各家庭に引き込まれているFTTH部分は、NTTはすでに1,400万くらいあってオーストラリアの目標の1.75倍がすでに設置されているから、2兆円くらいの価値になるか。

 というわけで、オーストラリアの計画の数字から適当に計算してみると、NTTの現在のアクセス網の価値は17兆円にもなる。なんだか大きすぎるなぁ、でもいいや、桁が違ってるなんてことは無いだろう。
 この10兆円を超える資産に対して、わずか1,000億円の出資で好き勝手使えるようにしようってのは、あまりにも虫が良すぎるんじゃないの?
 10兆円の資産を5,000億円にして叩き売ろうとしてるのだと考えたら、ほとんど犯罪。1,000億の出資がいずれ2兆円に化けるわけだね。なかなかおいしいハナシじゃないか。それ売り払えば、ボーダフォン買ったときの借金なんて一気にチャラ。やるなぁ。

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