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2010年10月31日 (日)

台風ついでに光ファイバの心配をしてみる

 台風が来た。強風に大雨で電柱に張られている光ファイバは大丈夫だろうかと、勝手に心配してみることにする。

 光ファイバはガラスであるので、機械的なストレスに弱い。ガラスに機械的な力が繰り返し加わると、微細な傷が次第に成長して最後には破断に至る。
 各家庭に引き込むドロップケーブルと呼ばれる光ファイバケーブルは、あちこちでブラブラしていて機械的なストレスを受けやすい。今日のような台風の強風だけでなく、カラスが遊びで引っ張ったり、トラックなどの重量車両が通過する際の電柱の振動もストレスの原因になる。柔らかい銅線に比べて、ガラスは硬くて割れやすいので、機械的ストレスに弱いのだ。

 ガラスは水で「錆びる」。一般的な感覚では、ガラスの花瓶に水を入れておいてもなんともないのだから、光ファイバは水に強いと思ってしまうのはしかたのないこと。しかし、光ファイバのような微細なものになると、そんな思い込みは通用しない。
 ガラスの割れ目に水が作用すると、割れ目に変形が起きて割れが徐々に成長する。ガラスのコップのような分厚いものでは何ともなくても、光ファイバのような細いものでは何年もしないうちに破断する。高圧の水中に敷設される海底光ケーブルでは厳重な防水対策が行われているし、NTTでも地下管路の光ケーブルには浸水を検出する手段が設けられている。
 光ファイバの製造過程で表面に傷ができてしまうのは避けられない。光ファイバを湿気から守る役目の被覆は、紫外線や空気中の化学物質で劣化する。光ファイバの被覆の寿命はメタル線の被覆と変わらない。被覆の劣化は、ドロップケーブルのような細くて機械的なストレスのかかりやすいところの方が深刻になるだろう。

 そうやって考えてくると、ドロップケーブルが長い方が保守費が高くなるように思われる。この近所でNTTとKDDIの光ファイバを比較すると、AOFクロージャを大量にばらまいて面で整備できているNTTに比べて、幹線道路しか整備されていないKDDIはドロップケーブルの長さがNTTの5倍以上ある。故障率はケーブルの長さに比例するだろうから、KDDIはなかなか大変そうだと勝手に心配したりする。

 さて、枕はこのへんにして本題に入ろう。

 ソフトバンクの「光の道」のプレゼンで、メタルの通信線は錆びるが光ファイバは錆びないので長持ちで維持費が安いという主張があったが、上記のような事情を考えると、とても受け入れることはできないと思う。ソフトバンクは、日本テレコムを吸収したことで固定網でも大手通信事業者の一角を占めているのだから、こういった問題を知らないはずがない。
 一般人の誤解に付け込もうとしているのか、あるいは私のようなマニアレベルではキャッチできない新たな技術革新があったのか。

 グダグダ書いてたら、台風は行っちまったらしく、妙に静かだ。だいぶアルコールも回ってきたし、ここらで寝るとしよう。

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コメント

こんにちは。けっこう古いファイバでは、熱や紫外線で被覆が萎縮してしまい、その力でファイバが圧壊してしまうなんて話もあります。(ガラスのコップに熱湯を入れてもそこそこ大丈夫だけど、氷水を入れると粉々に割れてしまうように、引っ張られるよりも縮まる力に弱いようです)

たしかにドロップファイバの故障率はメタルの2〜3倍、修理時間も1.5倍ですが、現場の力でどんどん改善されていると聞きます。たとえば、とある現場のおじさんの経験則で、クロージャから取り出すときに支持線と交差させる工法が生まれ、月数十件の故障がゼロになったとか。どこかの県域だと、そういう施策が功を奏し、ファイバの保守費用がメタルの1.1倍にまで縮まったと聞きます。個人的にはむしろ、メタルの定期保全を中止してきたツケがそろそろ回ってくる方が心配です。すでに国が定めている寿命15年を超過してますからね。

孫さんのプレゼンは、うちの若手社員に見るようにすすめています。「理論も技術もノウハウも知らない人はこんな笑い話を平気でいう」という意味で。

貴重な情報ありがとうございます。とても勉強になりました。

私自身は家電メーカーの人間でして、家庭向けに光ファイバの高速通信を利用した新しい機能を考えたくて、10年くらい前からFTTH関連の技術ウォッチを続けています。

FTTHの普及率も工事技術もメタル線のレベルに近づいてきたので、そろそろ時節到来と思っています。

私は門外漢ではあるのですが、通信事業者のトップに立つ人間があのような発言をして、しかもそれを無批判に受け入れて賛同してしまう人が twitter でも多いことを見ると、ついムキになって批判してみたくなります。

#それ以前に、あれは通信事業者(キャリア)と呼んで良いのか疑問です。個人的に。

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