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2009年8月 8日 (土)

ライフログもネット視聴率も成長の武器になんかならない

 「NTTの深謀」という本を読んだ。自称NTTウォッチャーとしては、これは読まねばならないってなもんで。

 日経コミュニケーションの編集になるものだが、過去のできごとやいきさつなどはよくまとまっているが、将来の展望に関してはイマイチというか、世間の流行に合わせて適当に書いているだけで、考えが浅い。

 NTTはあくまで通信事業者であり、その保有する通信インフラを活用することで最大の力を発揮することができる。NTTの力を利用して日本のICT競争力を高めて世界でビジネスをするというようなことを言っているが、通信インフラと切り離されたNTTに競争力を期待するのは難しい。

 また、成長分野として「ライフログ」とか「ネット視聴率」とかを挙げているが、これもこっけいすぎて吹き出してしまいそうだ。

 ライフログというのは、インターネット上だけでなく生活のすべてのシーンでのユーザの行動を記録・分析することで、その結果を利用してあれこれ商品を売りつけようとするやつだ。amazonのおすすめ商品の仕掛けをおおがかりにしたやつとでも思えばいい。
 1万回に一度でも売れれば、世界規模では大きな売り上げになる可能性はあるが、ちょっと慣れたユーザなら、この手のおすすめ情報ってのは無視していて、たとえブラウザに表示されていても認識すらしなくなっている。amazonが元気なので、ちょっと言ってみました、ってところか。

 ネット視聴率というのもいいかげんなハナシだ。Googleが元気なのに影響されたのだろう。確かに広告市場というのは馬鹿にできない大きさがある。しかし、製品やビデオなどの実際のモノの売り上げに比べれば微々たるものだ。そんな狭いところをアテにしても、日本の競争力は向上したりしない。通信サービスに限って言っても、ユーザが金を払っているのは、人と人、人とサービスをつなぐコミュニケーションそのものだ。そのコミュニケーションの費用に比べたら、音楽やビデオなどのデータの購入費や、ネットでの購買行動に合わせて支払われる広告費などは、極めて少ない。ネット視聴率などでは、有力ビジネスは生まれないのだ。

 ブロードバンドインフラを活用して日本の競争力を向上させたいのなら、事業者間競争を優先することでネットワークの構造を非効率にしている現状を改め、法規制をおそれて引きこもりになっているNTTに対して、NGN上のアプリケーションを自由に作れるように、本来早期に公開すべきであったNGNの基本機能を公開させることだ。
 高速で大容量のネットワーク上で、アプリケーションを自由に作らせる。そこで成功したものは、海外のインフラが追いついてきたころには、強力な武器になるだろう。そのためなら、国内市場にしかならないインターネットサービスをNTTに独占させたってかまわない。ごちゃごちゃ言ってないで、独占させておいて料金規制をかけた方がスッキリする。

 もう一つどうしても我慢できない記述が一つ。今後はモバイルがインターネットになるという主張。これもありえない。モバイルと固定通信は、それぞれに特性があり、必要に応じて使い分けられていく。モバイル通信の高速化は、原理的にもたいして期待できない。LTEや4Gの携帯網に対する世界の期待は通信容量の増加であり、収容できる契約者数/端末数の増加である。携帯網の超高速通信などと言っているのは、日本のみで、しかも携帯電話サービスに関与していない無責任な連中のみだ。「日経コミュニケーション」という専門誌みたいな看板を掲げておいてこんな嘘を書くのは許せない。

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