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2008年4月17日 (木)

ひかりTV考

 地デジ再送信どころか、サービスそのものが始まったのかどうかすらはっきりしないひかりTVですが、そもそも日本でIPTVは普及できるのでしょうか。他の国の状況も整理して考えてみることにします。

 まず北米ですが、地上波放送が貧弱な状況で、ケーブルテレビや衛星放送が6割以上の家庭に普及しています。多チャンネルサービスに加入して、STBを介して視聴するのがあたりまえという状態です。配信手段がIPになるだけで、CATVと変わりないので、普及の障壁は低いと考えられます。サービス事業者が努力すれば、ふつうに普及していくことでしょう。

 欧州は、ブロードバンドサービスのおまけとして、IPTVが安価に提供されています。アクセス網がxDSLなので、映像の配信品質も高くないのですが、通信事業者と放送事業者の間に資本関係があったり、通信事業者が放送サービスをしたりしているので、見逃し番組のキャッチアップやタイムシフトのような便利な機能が柔軟に提供されることで、魅力的なサービスになっています。フランスでは、IPTVの加入者が200万くらいになっているとか。
 フランステレコムでは、昨年からGPONのFTTHの展開を開始しましたが、50ユーロで100Mbpsのブロードバンドに IPTV と国内通話の使い放題がついてくるそうです。為替レートはユーロ高ですが、購買力で換算すれば、日本のFTTHサービスよりもかなり安いと言えます。

 また、欧米のいずれの事業者とも、HDDレコーダ機能を搭載したSTBがオプションとして用意されています。HDDの容量は、160GBのものがほとんどなのですが、放送自体がH.264で提供されているので、HDの放送でも録画時間が極端に短くなることはありません。HDDの価格はどんどん下がっているので、すぐに300GBクラスに移行することでしょうから、録画時間は十分すぎるくらいになります。欧州では競争が激しいせいか、標準でHDDレコーダ版STBを提供しているところもあります。

 日本はというと、地上波放送が充実しているせいで無料で見られるという意識が強く、有料の多チャンネルサービスはあまり普及していません。放送局の締め付けが厳しいせいか、タイムシフトやキャッチアップのような便利なサービスも提供されていません。番組も地域縛りがあって、地方では大阪や東京の番組を自由に見ることが出来ません。価格も高めです。
 無料の競争相手があるというのに、高い値段を取ってたいして便利でもなく、番組も地方では限定したものしか見られない。こんな状態で普及を期待する方が無理というものでしょう。

 総務省が、IPTVの標準化に躍起になっているというようなニュースが流れていますが、携帯電話のように相互接続が必要なものと違い、IPTVは事業者が自社向けのSTBを提供し、かつSTBに他社との差別化機能を搭載することが競争のポイントになっています。標準化しなくてもIPTVは普及しているし、標準化そのものも今は期待されていないのです。ITUのIPTVの規格も、方式を統一するのではなく、いろいろな方式を併記するにとどまる可能性が高いと思われます。標準化を頑張れば新しい市場が開けるかのごとき期待の抱くのは、幻想でしかありません。世界では標準化を待たずにIPTVがどんどん普及しています。普及しないのは日本国内のことで、しかも「普及のネック」は標準化以外のところにあるのです。

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